墨成

編集後記(2020年6月)

▼新型ウイルスがもたらした人類への警告は何だったのでしょう。ウイルスの拡散は、国境を超え、人種を越え、老若男女を軽々と越えて、世界を恐怖に陥らせました。もはや地球に住む人間同士の争いなど意味がないと、強かに底意地悪く這いずりまわっているかのようです。地球上は運命共同体なのだ、と。
▼ピンチの時こそ、人間の真価が問われます。各国のリーダーの言動にも人間性があらわれました。命よりも経済を優先させる指導者。自国ファーストを貫く指導者。科学を信じない政治家。危機に遭った時こそ、リーダーは“いかに生きるか”と市民の心をくみ取り、励ます哲学が必要だと思われました。
▼「この課題を自分の課題として理解すれば、私たちはこれを乗り越えられると固く信じています。・・・私たちは民主主義社会です。私たちは強制ではなく、知識の共有と協力によって生きています。これは歴史的課題であり、力を合わせることでしか乗り越えられません。・・・不要な人など誰もいません。私たち全員の力が必要なのです」と静かに語ったドイツのメルケル首相の言葉は、ドイツ国民だけでなく、地球上に住む人々の心に強烈に響きました。私が全文を知ったのは1ヵ月以上経ってからでしたが。
▼人類は聡明な指導者によって救われる、と確信したのです。

(神原藍)