墨成

編集後記(2023年12月)

▼誰もがなりたい自分になりたいと思う。反面、叶えるのは難しいと現状を嘆く。しかしMVPを受賞した大谷選手は違った。高校時代「世界最高のプレイヤーになる」「野球界の歴史を変える」と目標を紙に書き十年で成し得た。生まれ持っての才能とそれを育む環境もあるだろうが、そのためにやらなければならないことに徹底している。高校時代の監督は「運命を決めるのは、いままでの歴史ではなく、その人の選択であり決断だと思い知らされる」と語る。

▼受賞後、この先どこまで伸びるのかの質問に大谷選手は「自分が(自分に)に一番期待してるんじゃないですか」「野球はどちらかというと、技術が多く試されるスポーツだと思っている。プラス、肉体がどれだけ高いレベルで維持できるか」と柔らかい物腰で答えたそうだ。

▼人間は平等ではない。生まれも育ちも環境も違う。その中で自分の道を選択するのは自分だ。他人の価値観で左右されるのではなく、自分の軸を持つ。未来の自分と一致する軸を、自分で育てていく覚悟が必要なのだろう。

▼と書いて、私は自身に言い聞かせているのかもしれない。なりたい自分に生きてゆけるか、と自分自身に問いている。その為には無駄な時間を削る、生活リズムを整える、ポジティブ思考になることだ、と解決策は出ているのだけれど。(神原藍)