墨成

編集後記(2022年3月)

▼新春展作品集と三月号の編集に錆びついてきた手足や脳を叱咤させながら、校正の段階に入り振り返っています。どうして二月は短いの、と思いながら。しかし、待ちに待った会員の方々の声をお寄せ頂 きました。春の明るい光も注いでいます。

▼佐々木平等先生には墨成の出発時点から手本を執筆して頂いています。秋田県は全国的にも学力が高いと有名ですが、佐々木先生は体を張って子供たちと向き合い、子供たちの才能を引き出されています。坂本君は勉強と部活の時間に追われる中、書道を続けてきました。単に続けるだけではなく密度の濃い書道への取り組みだったのではないでしょうか。

▼加柴律子先生は生田先生に四〇年以上師事してこられました。ひたむきに生田先生の志を汲み、書への純粋さと献身的な師弟関係を築いておられることに、頭の下がる思いです。書は内なるものが顕れ出ます。単に手本を見て書くというものではなく、あらゆる言動に表れるのではないでしょうか。書の面白さであり、怖さです。

▼長岡輝美先生は、多くの門人の方々を引き連れて墨成に入って下さいました。新聞社主催の公募展の審査員としても活躍されておりますが、向学心の塊のような門人の方々の作品を拝見し、書の持つ魅力と信頼感に励まされた短い二月でした。

▼「人生にイエス」です。(神原藍)