
編集後記(2025年4月)
▼大倉教室を主宰する小濱和子先生から、大倉公園のしだれ梅の写真と共に、大倉記念館で催された「港北美術展」の出品作を寄せて頂きました。何万とある漢字の中から、生徒さん自分らが選んだ漢字は肯定的で、線が澄んでいます。燦燦と光が射しているようです。
▼お習字は、単に手本を忠実に字形だけを真似して書くことではない、と私達は心得ています。また段級だけを追うものでもないことも解っています。筆の文字は自分でも知り得ない自己を表現できる一方、泣きたくなるような情けない自分を映しだしたりすることも解っています。
▼日本の若者は欧米の若者に比べて自発性や挑戦する力が劣ることが、こども家庭庁の調査で分かりました。同調圧力も強いと感じることもあります。しかし、人は誰でもが自分の中に自分の言葉を持ち、自分の考えを持っています。自己表現できる書は最適な学びとも考えられます。
▼漢字一字や二字熟語を書くことが好きな生徒は、自らで学ぼうとする意欲があります。漢字は意味を持つ文字、端的に自分の気持ちを表すことができ、それに伴って基本的な筆法や一字や二字を書くことで文字の美学を会得してゆきます。自分の心を見つめ、自分から自分を育てるという過程で、意欲を高め、自在力を深めてゆければと思います。(神原藍)