墨成（ぼくせい）2024.09

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前坂あや子_作品 — 前坂あや子
一条摂政集は７～８字という長い連綿が特徴の古筆です。
綿々と書かれているので一見無造作に見えますが、高度な定理に基づいています。
潤渇を捉え、筆の中鋒を駆使した線状はこの古筆を科学的に観察しています。

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定直彰子_作品 — 定直彰子
細字課題は半紙に多字数の臨書。
初め抵抗を感じても、対峙する古典の真理や特徴を捉えるにはもってこいの課題です。
彰子さんの臨書は細線も筆圧を加えた線状にも生気が漲っています。
小筆を駆使した鍛錬の賜物でしょう。

板橋明美_作品 — 板橋明美
法帖で見る懐素の草書は、一見頼りなげな優しさと易しさが入り混じり、簡単そうに思います。
それが間違っていると分かるのは、深く観察し、反故を積み重ねた後に、漸く懐素の懐にたどり着くように思われます。
見事な会心の臨書です。

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山口誉晃（高校生）_作品 — 山口誉晃（高校生）
正面から王羲之に向き合おうとする真摯な姿を拝見。
先人の書に向き合うことは、先人の賢明な生き方に触れる事でもありますね。

中道萌結（中学生）_作品 — 中道萌結（中学生）
名前に至るまで字形も線状も見事。
二文字の構成もよく格調が高い。
高い意識を持ち書に向かうことで更に自分を高めてくれます。

林青葉（小学六年生）_作品 — 林青葉（小学六年生）
海に沈んでゆく太陽は美しいですね。
筆を垂直に持って深い線で書いています。
小さな点画にも、払いの線にも心がこもっています。

伊藤杏莉（小学五年生）_作品 — 伊藤杏莉（小学五年生）
未来に向かって真っすぐに飛びたっているようですね。
ロケットが空に向かって打ち上げられている景色が浮かんできます。
縦画（たてかく）が見事。

塚田芽以（小学四年生）_作品 — 塚田芽以（小学四年生）
名前まで大きくどうどうとしています。
舟をこぐ人は逞しく、みんなは安心して舟に乗れますね。
漢字が特に素晴らしい。

伊藤玲凰（小学三年生）_作品 — 伊藤玲凰（小学三年生）
筆を入れる時のタッチが強く、線が深く伸びやかに書けましたね。
特に「れ」の右に払った線には勢いがあって見事です。

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木島愛心_作品 — 木島愛心
まじめにコツコツと続けて来られた成果が一筆一筆に込められています。
今度は運筆する速さに緩急（かんきゅう）をつけてみて下さい。
誠実な臨書です。

中村悠那_作品 — 中村悠那
黒潮の大蛇行（だいだこう）が七年も続いているそうですが、大自然の営みですね。
素朴な力強さは、身体の体幹（たいかん）を使って書いているからですね。
堂々とした清書です。

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鈴木　葵_作品 — 鈴木　葵
ゆったりと大らかに書けましたね。
砂浜から、海の入日を静かに眺（なが）めている葵さんの姿が浮かんできます。
落ち着いて、ていねいに書けました。

長岡未侑奈_作品 — 長岡未侑奈
大きな白い雲が空に漂（ただよ）っているような清書ですね。
二文字に大小をつけ噛（か）み合っています。
「雲」は難（むずか）しいですが、筆圧（ひつあつ）に強弱（きょうじゃく）をつけると良いでしょう。

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細田幸太朗_作品 — 細田幸太朗
大きな見事な「舟」ですね。
信頼（しんらい）して安心して身を任（まか）せることを「大船に乗った気持ち」と言います。
あたたかくゆったりと書けましたね。

北條けいご_作品 — 北條けいご
暑い「夏」をばっさりといさぎよく書けました。
１筆目の澄（す）んだきれいな線は、その後の強くて厳（きび）しい点画（てんかく）につながっていますね。